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16時間断食はアスリートに効く?16研究・245人のメタ分析、体脂肪率は減り筋力は維持

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 5分
ナイフとフォークが添えられた丸い皿
SUMMARY|この記事の要約

食事を1日8時間ほどに絞る時間制限食(16時間断食など)は、アスリートの体脂肪率を小幅に減らし(SMD −0.39)、筋力やパワーには有意な悪影響がなかった。北京体育大学などのチームが16研究・245人を統合したメタ分析で、2026年9月23日に『Frontiers in Nutrition』に掲載された。

食べる時間を1日8時間ほどに絞る「時間制限食(TRE)」は、アスリートの体重と体脂肪率を小幅に減らし、筋力やパワーなどの運動能力は落とさなかった。北京体育大学のルーティン・リン(Ruting Lin)氏らが16研究・アスリート245人を統合したメタ分析で、2026年9月23日に学術誌『Frontiers in Nutrition』に掲載された。

時間制限食がアスリートの体脂肪率に与える影響を示したフォレストプロット
図:Lin R, Wang Y, Shuai Z, Zhou K, Wu W『Effects of time-restricted eating on body composition and performance in athletes: a systematic review and meta-analysis』Frontiers in Nutrition(2026)Figure 6/出典:Frontiers in Nutrition/ライセンス:CC BY 4.0(改変なし)

どんな研究を集めた?対象と方法

分析の対象は15本の論文に含まれる16研究で、参加者はアスリート245人(男性202人、女性43人)、平均年齢は研究ごとに18.4〜39.9歳だった。筋トレ経験者のほか、ランナー、テコンドー選手、ダンススポーツ選手が含まれる。

  • 食事法:最も多かったのは、食事を8時間の枠に収めて16時間は食べない「16時間断食(16/8)」。1研究は12時間ずつの12/12だった
  • 期間:4〜52週間(多くは4〜8週間)
  • 比較相手:食事時間を制限しない食事で、同じか同等の運動プログラムを行った群

16時間断食で体脂肪は減る?筋肉は落ちる?

結果は次のとおりである。体重と体脂肪率は有意に減り、除脂肪量(筋肉などの脂肪以外の重さ)には有意な変化がなかった。

項目 効果量(SMD) 95%信頼区間 判定 証拠の確実性
体重 −0.27 −0.50〜−0.04 有意に減少 低い
体脂肪率 −0.39 −0.68〜−0.11 有意に減少 中程度
脂肪量 −0.23 −0.48〜0.02 有意差なし 低い
除脂肪量 −0.16 −0.42〜0.09 有意差なし 低い
エネルギー摂取量 −0.35 −0.77〜0.07 有意差なし 低い

全体の効果量はいずれも「小さい」の範囲で、体重が何kg減ったかといった実数での結果は示されていない。

筋力やパワーは落ちない?

運動能力への悪影響はみられなかった。筋力(SMD 0.01)、パワー(同 −0.12)、筋持久力(同 −0.20)、有酸素能力(同 0.04)はいずれも食事時間を制限しない群と有意な差がなかった。

競技レベル別にみると、エリート選手では体脂肪率の低下(SMD −0.67)が有意だった一方、レクリエーションレベルの選手(同 −0.27)では有意ではなかった。ただし両者の差そのものは統計的に確認されていない。

筋トレ経験者を対象にした個別の試験は、「16時間断食」で筋肉は減るのかと増量期の16時間断食は有効?でも紹介している。

この研究の限界は?

  • 参加者は合計245人と少なく、多くの研究が4〜8週間と短い。
  • 総摂取カロリーや栄養素の管理・報告が不十分な研究が多く、体重の減少が「食べる時間」によるものか「食べる量」の減少によるものかは区別できない。
  • 食事の時間帯や枠の長さが研究ごとに異なる。
  • 証拠の確実性は「非常に低い」〜「中程度」だった。

よくある質問

16時間断食をすると筋肉は落ちる?

アスリート245人のメタ分析では、除脂肪量に有意な変化はなかった(SMD −0.16)。ただし期間が短い研究が中心で、長期的な影響は十分にわかっていない。

時間制限食で筋力は下がる?

筋力の効果量は0.01でほぼゼロであり、パワーや筋持久力にも有意な低下はみられなかった。

時間制限食で体脂肪が減るのはなぜ?

摂取カロリーが自然に減った可能性があるが、今回の分析では摂取量の差は有意ではなく、食事量の記録も不十分だったため理由は特定できていない。

KINNIKU TIMESの視点

今回の結果は「食べる時間を絞っても、少なくとも数週間なら運動能力はほぼ保てる」ことを示した。減量期に間食が増えがちな人にとっては、食事の枠を決めることが摂取量を管理する手段の一つになり得る。一方で体重や体脂肪の減り幅は小さく、確実性も高くない。練習の前後に食事やたんぱく質をとれる時間を確保できるかを優先し、1日のたんぱく質量と総カロリーの管理を土台にしたうえで、生活に合うなら取り入れる、という位置づけが妥当だろう。


出典:Lin R, Wang Y, Shuai Z, Zhou K, Wu W. Frontiers in Nutrition 13:1956159(2026年9月23日)