減量後のリバウンドは6週が山場 ナチュラル選手19人を12週追跡、代謝も回復
ナチュラルのフィジーク選手19人を大会後12週間追った研究では、大会後の体重増加(8.3kg)の約8割が最初の6週間に集中し、12週後には体脂肪が減量前の水準に、除脂肪量は1.6kg上回った。大会後に食事量を大きく増やした選手ほど安静時代謝の回復が大きい傾向も見られたが、観察研究であり因果関係は示されていない。
コンテスト後の「リバウンド」は最初の6週間が山場で、大会後12週間の体重増加(平均8.3kg)の約8割がこの期間に起きていた。ナチュラル(薬物不使用)のフィジーク選手19人を減量期から大会後12週まで追跡した研究で、クレア・ビューケル(Claire Buechel)氏や、ニュージーランドのオークランド工科大学に所属するエリック・R・ヘルムズ(Eric R. Helms)氏らの研究チームが2026年5月23日、国際スポーツ栄養学会誌(JISSN)に発表した。減量で落ちた安静時代謝も、大会後には回復していた。
対象者と方法は?
対象は、大会後の測定を1回以上受けたナチュラルのフィジーク選手19人(男性8人、女性11人、平均28.3歳)である。大会の15〜25週前、1〜2週前、大会後2・6・12週に、DXA法で体組成を、呼気ガス分析で安静時代謝量を測った。甲状腺ホルモン、気分、睡眠、食事量なども記録している。
減量で体はどう変わった?
減量開始時の平均体重は70.3kg、体脂肪率は21.5%だった。大会直前までに体重は7.1kg減り、その内訳は脂肪量が5.8kg減、除脂肪量が1.7kg減だった。大会1〜2週前の時点で、19人中8人の甲状腺ホルモン(FT3)が基準値を下回った。一方、除脂肪量1kgあたりの安静時代謝の低下は小さく、統計的にははっきりしなかった。
大会後のリバウンドはいつ落ち着く?
大会直前と比べた変化は次のとおりである。
| 時期 | 体重 | 脂肪量 | 除脂肪量 | 安静時代謝 |
|---|---|---|---|---|
| 大会2週後 | +2.7kg | ― | ― | +109.5kcal/日 |
| 大会6週後 | +6.6kg | +3.4kg | +2.7kg | +231.9kcal/日 |
| 大会12週後 | +8.3kg | +5.1kg | +3.3kg | +237.2kcal/日 |
2週後は水分やグリコーゲンの変動が大きいためDXA測定を行っていない。
12週後の脂肪量は減量開始時との差が0.8kgで明確な違いはなく、ほぼ元の水準に戻った。除脂肪量は開始時を1.6kg上回った。甲状腺ホルモンは12週後に全員が基準範囲内に戻り、気分と睡眠の指標も開始時の水準に戻った。ただし、自然な月経周期の女性7人のうち大会2週後には6人が無月経で、12週後も回復していなかったのが2人いた。
食事を増やすと代謝は戻る?
平均摂取エネルギーは減量開始時が1日約1,901kcal、大会2週後が約2,955kcal、12週後が約2,565kcalだった。ベイズ統計の分析では、摂取量が1日100kcal多いごとに、体格で補正した安静時代謝の回復が約16kcal大きかった。著者らは、大会後によくある1日500〜1,000kcalの増加なら、代謝の回復が約80〜160kcal大きい計算になるとしている。
研究の限界は?
観察研究であり、食事量と代謝回復の因果関係は示せない。対象は19人と少なく、ナチュラルであることは自己申告、食事量や練習量も自己記録である。大会後は練習量が減る傾向があり、脂肪の戻りが食事の増加と消費の減少のどちらによるかは分けられていない。12週で回復が完了したかも分からない。
よくある質問
大会後の体重はどのくらい戻る?
この研究では大会直前から12週で平均8.3kg増え、減量で落とした7.1kgを上回った。ただし増加分には除脂肪量も含まれる。
減量で代謝は落ちたままになる?
落ちたままにはならなかった。大会後に安静時代謝は上昇し、12週後には減量開始時を1日約143kcal上回った。
KINNIKU TIMESの視点
大会や減量の後は「減量期を終えた回復期」と捉え、最初の6週間に変化が集中すると知っておくと、体重の急増に慌てずに済む。著者らは、代謝だけでなく月経、気分、睡眠、食欲など複数の指標を見て、個人に合わせて食事を正常に戻していくことを勧めている。練習を続け、たんぱく質をしっかり摂ることが前提で、目安は体重1kgあたり1.6gを扱った記事が参考になる。日本のナチュラル大会の動向はWNBF JAPAN 1の結果記事で紹介している。月経が止まった状態が続く場合は、専門の医療機関への相談を検討したい。
出典:Buechel C, et al. Journal of the International Society of Sports Nutrition(2026年5月23日)/オークランド工科大学リポジトリ