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ドリアン・イェーツとは オリンピア6連覇、最後の優勝は三頭筋断裂から20日後

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
白黒で写したダンベル
SUMMARY|この記事の要約

ドリアン・イェーツは1992〜1997年にミスター・オリンピアを6連覇した英国の名選手である。最後の1997年大会は三頭筋を痛めてから3週間足らずで出場して優勝し、この年限りで引退した。

イギリスのドリアン・イェーツ(Dorian Yates)は、1992年から1997年までミスター・オリンピアを6連覇した名選手である。最後となった1997年大会は、上腕三頭筋を大きく痛めてから3週間足らずでの出場だった。2026年のオリンピアが米ラスベガスで9月24〜27日(現地時間)に開かれるのを前に、「影の男」と呼ばれた王者の実績を振り返る。

床に並んだ黒いダンベル
写真はイメージです(Unsplash)

ドリアン・イェーツのプロフィール

項目 内容
生年月日・出身 1962年4月19日、イングランド・ソリハル生まれ
身長 約178cm
大会時の体重 約115.7〜120.2kg
異名 「ザ・シャドウ(影の男)」
オリンピア優勝 6回(1992〜1997年の6連覇)
殿堂入り 2003年にIFBB殿堂入り

「影の男」という異名は、出場を事前に明かさずに大会に姿を現し、大会の合間は表舞台にあまり出なかったことから、ピーター・マクガフ(Peter McGough)氏が名付けたとされる。

アマチュアからオリンピア王者までの戦績

  • 1984年:ミスター・バーミンガム新人の部で優勝
  • 1986年:英国選手権ヘビー級で優勝
  • 1988年:英国選手権でヘビー級と総合優勝
  • 1990年:プロ初出場のナイト・オブ・チャンピオンズで2位
  • 1991年:ナイト・オブ・チャンピオンズで優勝(プロ初優勝)、ミスター・オリンピアで2位
  • 1992〜1997年:ミスター・オリンピア6連覇

プロ転向からわずか2年でオリンピアの頂点に立ち、そのまま一度も王座を明け渡さずに引退した。歴代の優勝回数は「ミスター・オリンピア歴代優勝者一覧」で確認できる。

三頭筋断裂から3週間足らずの1997年オリンピア

1997年8月31日、イェーツはライイング・トライセプス・エクステンションの最中に三頭筋を痛めた。筋肉の4分の3が骨から外れる大けがで、大会は9月20日に迫っていた。本人は後に自身のInstagramで「痛みの後、何も感じなくなった。ショック状態だったと思う」「これでオリンピアは終わりだ、と思った」と振り返っている。

それでもイェーツは、押す動作の種目をすべて外し、上半身は軽い重量だけで調整を続けた。大会は米カリフォルニア州ロングビーチのテラス・シアターで開かれ、ナセル・エル・ソンバティ(Nasser El Sonbaty)が2位、ショーン・レイ(Shawn Ray)が3位。イェーツが6連覇を果たし、賞金は11万ドルだった。けがの影響もあり、この年限りで競技から退いた。

短く激しい「HIT」とテンプル・ジム

イェーツのトレーニングは、マイク・メンツァー(Mike Mentzer)の考え方に影響を受けた高強度トレーニング(HIT)で知られる。短時間で極めて強度の高いセッションを行い、筋肉への刺激を効率よく最大化するという考え方である。拠点は、1987年に英バーミンガムのテンプル・ストリートで手に入れた「テンプル・ジム」だった。

よくある質問

ドリアン・イェーツはオリンピアで何回優勝した?

1992年から1997年まで6回連続で優勝した。

なぜ1997年で引退したのか?

1997年大会の直前に三頭筋を痛めるなど、上腕二頭筋と三頭筋のけがが重なったためである。

オリンピア最多優勝は誰?

最多はリー・ヘイニーとロニー・コールマンの8回である(関連記事)。

KINNIKU TIMESの視点

イェーツの歩みから学べるのは、量より質を重視したトレーニングでも頂点に届くという事実と、けがの重さである。高重量・高強度を追い求めるほど故障のリスクは高まり、6連覇の王者でさえキャリアを終えることになった。一般のトレーニーは、限界まで追い込むのは一部のセットにとどめ、痛みがある種目は外すなど、長く続けるための工夫を優先したい。2026年のオリンピアを見る際も、選手たちがけがと向き合いながら舞台に立っていることを思い出してほしい。


出典:Wikipedia「Dorian Yates」/Wikipedia「1997 Mr. Olympia」/BarBend(2024年1月)/Fitness Volt(2026年9月23日)