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筋トレ7日間で内臓脂肪の細胞が縮小 体重は変わらず、ブラジルのマウス研究

公開 ・ KINNIKU TIMES 編集部 ・ 読了目安 4分
重ねて置かれた黒いダンベル
SUMMARY|この記事の要約

7日間(計7回)の筋トレで、肥満マウスの体重は変わらないまま腸間膜の脂肪量が減り、脂肪細胞も小さくなった。ブラジルのカンピーナス州立大学が学術誌「Life Sciences」に発表した研究で、人で同じ効果が出るかは未確認である。

わずか7日間の筋トレで、体重が変わらないまま内臓脂肪の量が減り、脂肪細胞も小さくなった。ブラジルのカンピーナス州立大学(Unicamp)の研究チームが肥満マウスを使った実験の結果を学術誌「Life Sciences」に発表し、研究を支援したサンパウロ州研究財団(FAPESP)のニュースサイト「Agência FAPESP」が2026年9月22日に報じた。人で同じ効果が得られるかは確認されていない。

黒い机の上に置かれた白い顕微鏡
写真はイメージです(Unsplash)

どんな実験?マウスの「はしご筋トレ」

研究を率いたのは、同大学の運動細胞生物学研究室を主宰する医師で体育学の専門家、レアンドロ・ペレイラ・ジ・モウラ(Leandro Pereira de Moura)教授である。高脂肪食で肥満にしたオスのSwissマウスを、運動しない群と筋トレをする群に分けて比べた。

項目 内容
対象 オスのSwissマウス(通常食群、高脂肪食で肥満にした群)
比較 肥満+運動なし vs 肥満+筋トレ
運動方法 尾におもりを付けて高さ70cmのはしごを登る。負荷は最大能力の70%
1回の量 20回登る。休息は60〜90秒
期間 7日間で計7回
食事 運動の効果だけを見るため、高脂肪食を継続
分析部位 腸間膜の脂肪組織(腸の周りの内臓脂肪)

結果:体重は同じでも脂肪細胞は縮んだ

筋トレをしたマウスの体重は維持されたままだった。それでも、運動しない肥満マウスと比べて次のような変化が確認された。

  • 腸間膜の脂肪組織の量が減った
  • 脂肪細胞の大きさが小さくなった
  • 脂肪を合成する遺伝子「Scd1」の働きが下がった
  • 脂肪分解に関わるたんぱく質PLIN1がABHD5を放し、分解酵素ATGLが働きやすくなる仕組み(ABHD5-ATGL経路)が活発になった

モウラ教授は「目に見える変化はまだなくても、体の中では減量を含め健康に良いシグナルが数多く起きている」と説明している。

人にも当てはまる?研究の限界

研究チームは「結果はあくまで実験段階であり、7日間の筋トレで人にも同じ効果が出ると考えるべきではない」と注意を促している。主な限界は次の通りである。

  • オスのマウスだけで調べた
  • 分析したのは腸間膜の脂肪1か所のみ
  • 期間が7日間と短い
  • 脂肪分解に関わる遺伝子やたんぱく質の分析が中心

またモウラ教授は、有酸素運動と筋トレは共通の経路と異なる経路の両方を活性化するとして、減量を目指す人には両方を組み合わせることが最善だと述べている。

よくある質問

筋トレで体重が減らなくても脂肪は減る?

マウスでは、体重が変わらないまま内臓脂肪の量と脂肪細胞の大きさが減った。人で同じことが起きるかは今後の研究が必要である。

1週間の筋トレで内臓脂肪は落ちる?

今回はマウスの結果で、研究者自身が人に当てはめないよう注意している。人では継続的な運動と食事管理が前提となる。

KINNIKU TIMESの視点

筋トレを始めたばかりの時期は、体重計の数字が動かないと「効果がない」と感じやすい。今回の研究は動物実験だが、「体重の変化より先に体の中で変化が始まっている可能性」を示した点で、継続の意味を考える材料になる。体重だけでなく腹囲や体組成も記録すると、変化に気づきやすい。有酸素運動との組み合わせについては有酸素運動と筋肥大のメタ分析、少ない頻度での体脂肪減少については週1回の運動の試験も参考にしてほしい。


出典:Agência FAPESP(2026年9月22日)Life Sciences(2026)論文「Strength training induces ABHD5-ATGL axis to counteract mesenteric fat accumulation in obese Swiss mice」AZoLifeSciences(2026年9月23日)